メーコー工業が手がける“張り”という技術
- 幸弥 林
- 5月1日
- 読了時間: 2分

鉄を曲げ、溶接し、削り出す──
メーコー工業は金属加工からスタートした会社です。
しかし「椅子」という製品に本気で向き合おうとしたとき、もうひとつの技術が欠かせないと私たちは気づきました。
それが、“張り”という工程です。
手のひらで、曲線を読む。
座面のクッション材を包み込む生地。
縫製のわずかなズレやテンションの違いが、全体のシルエットや座り心地に影響を与えるこの工程は、
まさに“最後の仕上げ”であり、“人の手だからこそできる仕事”です。
職人の手元にあるのは、工業用のミシンと、張り具合を調整するための工具だけ。
でも、たったそれだけの道具から生まれる曲面には、どこかやわらかい温度があります。
金属と布の、どちらにも誠実であること。
私たちは、自社で鉄の曲げ・切断・プレス・溶接を行い、回転金具やフレームを製作しています。
そのうえで、ミシンによる縫製や、タッカーによる布張りまでを一貫して自社対応しています。
つまり、こうした「金属加工 × 張り加工」の融合ができることこそが、
メーコー工業の製品づくりの最大の強みです。
「座ること」へのこだわりは、表からは見えない。

もちろん、私たちの仕事はすべてが表に見えるわけではありません。
座ったときに心地よく、椅子を動かしたときに壊れない。
そんな当たり前の裏側にある工程のひとつひとつに、手間と技術を惜しまないこと。
それが私たちの、ものづくりの流儀です。
椅子は、構造で支え、布で包む。
椅子は金属フレームだけでは完成しません。
表皮の美しさ、手触り、触れたときの柔らかさ──
それらすべてが、空間の印象を決めるからこそ。
「こんな椅子がほしい」
そんな声に、構造から仕上げまで応えられるのが、メーコー工業です。
この“張り”の技術は、メーコー工業が培ってきた**「椅子そのものを仕立てる力」**の象徴です。
金属加工から表面の仕上げまで一貫して行うことで、機構部だけではなく、空間にふさわしい“椅子”という完成品をご提案することができます。
機能も、仕上がりも、細部まで妥協しないものづくり。
それが、私たちが椅子づくりで目指していることです。
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